在日大韓基督教会 大阪築港教会

OSAKA SEASIDE KOREAN CHURCH
 1954年6月9日 創立
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起き上りなさい。床を担いで歩きなさい。ヨハネ5:1~9 2022年10月23日

ここには、第三のしるしが行われたことが記されています。そのしるしとは、38年もの間、病気で寝たきりの人をイエスの言葉によって起き上らせ歩かせたという癒しの奇跡です。ベトザタの池にある回廊には多くの病人たちが横たわり、水が動くのを待っていました。なぜなら、「主の使いがときどき池に降りて来て、水が動くことがあり、水が動いたとき、真っ先に水に入る者は、どんな病気にかかっていても、いやされたからである」(212頁)と言われている通りです。イエスが、彼に「良くなりたいか」と尋ねられた時、彼は、「良くなりたい」と言わず、「主よ、水が動くとき、私を池の中に入れてくれる人がいないのです」と答えています。これは、今、彼が何に苦しんでいるかを示しています。それは、孤独です。彼には、自分のことを本当に思い、心配し、支え、助けてくれる人がいない。自分のことを愛してくれる人がいないのです。彼は、そのことに苦しんでいます。ということは、彼に、人と人との絆ができれば、彼の苦しみは解決するのでしょうか。もし、彼にそのような関係が必要であるならば、イエスは、良き隣人としてその人を誰よりも先に水の中に入れたことでしょう。しかし、実際はそうではありません。むしろ、「起き上りなさい。床を担いで歩きなさい」と言われたのです。彼に必要としているのは、御子としての権威、その力ある命令だったのです。それこそが、彼の苦しみに根本的な救いを与えるものです。たとえ彼のことを愛し、心配し、支えてくれる人がいたとしても、その人が彼を起き上がらせることはできません。38年間という期間がそれを示しています。人間には、そのような力はありません。しかし、イエスが、御子としての神の力と権威によって「起き上がりなさい」と命じてくださるなら、彼は起き上がることができます。父なる神から遣わされたイエスの恵みある力のみが、苦しみの中でうずくまっている人を起き上がらせることができるのです。つまり、彼に必要なのはこのイエスとの出会いなのです。第三のしるしは、そのことを示しています。この出会いがあってこそ、人と人との繋がりが可能となっていきます。自分のためだけでなく、他の人々のために生きる者となり、人との間に良い関係を、愛の交わりを築いていくことができるのです。そのような歩みを、日々、この場でイエスの言葉によって新たにされながら始めていく皆さんであって欲しいと願います。