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大阪築港教会略史

Ⅰ．教会の歩み

1950年代前半、大阪港区は港が船舶会社と港湾労働者が多く、また地方からの出稼ぎ労働者も多くいたと言われる。港区は他の区よりも低く、梅雨時の大雨、夏秋の台風シーズンになるとこの地区は(千船橋、弁天町等)床上浸水の被害を受け一面海のようになる。悪名高いジェーン台風による被害は甚大であった。そこで土盛り工事が行われ６ｍ〜１０ｍも高くしたと言われ、現在の港区となった。この土盛り工事に、建設業に従事した同胞が多くいたのである。彼等はバラック宿に寝泊まりして働いたと言う。飯場や屋台が軒を連ねて商売も繁栄した。

1950年9月、金仲泰執事(京都教会)が、当港区に住居を移して事業を始めたが、役員、ＣＳ校長などの職務上京都に通った。ちょうどこの時期に、河鳳秀(大阪北部教会)、金善意、李且連(大阪教会)が同じく港区に移り住むようになる。

こうした状況からこの地区に先ず自分たちのための教会を求めた。同時に、このことは同地域の住民への伝道に繋がると信じ、その門が開かれるとの宣教使命を痛感し、それに向けての動きが始められた。河鳳秀信徒はキムチの商売をし、他の信徒もビニール座布団や石鹸など雑貨商売をしながらその収益を教会設立建築献金に捧げた。

1954年6月、信徒達は所属する教会に出席していたが、夜の集会の帰る時間と距離的困難を知り、金仲泰執事宅で夫婦と河鳳秀、金善意、李今連、李正和の６名で祈祷会が守られた。1954年10月13日、金仲泰執事が京都教会(第10回定期総会)にて長老按手された。

1956年4月、港区田中2-14-4に土地17.55坪を131,000円で購入した。会堂は332,200円で建築、同年12月に完成する。1956年は短期間、大阪北部教会の伝道所であったが、建築完成にともない関西地方会伝道所となる。翌年12月に献堂式を挙行し、担任牧師を迎える準備を進めた。

1958年3月、金信煥講道師が赴任した。こうして教会は、金信煥講道師を中心に伝道に励み、少人数で始まった群れは40名近くも集まった。

1960年7月30日に法人登記を済ませ10月には伝道所から教会に昇格した。そして、1961年1月に金仲泰長老が当教会視務長老となった。5月29日、金信煥牧師委任式と長老就任式が行われた。

1965年2月、金信煥牧師は韓国留学のために辞任した。後任の教職者が決まるまでの期間は、諸教会の牧師、伝道師、韓国から神学研究で日本に留学に来た教職者が礼拝を守ることになった。この期間は14年間で、かなり長期間に及んだ。これは教会の財政的事情にもよるが、臨時礼拝担当教職者が留学を終える時、順次、日本への留学に来る教職者の紹介等からその留学期間中に受け入れたことが考えられた。また、その間、信徒の転職、転居等があって信徒数が減少していく。一方、教会会堂は小さく狭かったので不便さを感じていた。

1971年　元旦

1976年　リフォーム前の二代目の教会　田永福牧師と共に

1976年4月13日

1979年4月、現在の三先２－１１－９の土地(95.86㎡)及び木造二階建て物件購入のため旧教会堂を売却し、教会堂に改宗した。こうして10月に担任教職者として羅曽男講道師が赴任し、翌1980年10月に牧師委任式を挙行した。

リフォーム後の教会玄関前にて

1981年　野外礼拝

1983年　野外礼拝　大阪城公園噴水前

旧会堂

旧会堂２

1989年6月、金仲泰長老が隠退(視務35年)し、名誉長老推戴式を行った。

1992年10月に李清一講道師は関西地方会から派遣(研修)され、1994年6月に牧師按手を受けて当教会の協力牧師となった。1994年8月には、羅曽男牧師が隠退(視務15年)した。そして、9月に李昌雨牧師が赴任し、10月に牧師委任式を挙行した。約８年の牧会生活を終えて2002年12月に隠退された。そして、しばらく担任牧師不在が続いた。この期間は10年という長い期間であった。その間、李清一牧師や他教会の牧師に説教を依頼して主日礼拝を献げていたが、様々な理由で信徒数が減少していく。さらに、教会の激しい老朽化と白蟻被害が問題視され始めてきた。

2012年1月に建築実行委員会を設置し、8月に新会堂建築を始め、12月に完成を迎え、入堂式を行った。また、長い間、担任牧師不在であったため新しい教役者を迎える準備が進められた。